令和7年度企画展 戦国乱世の終焉と泰平の世―豊臣軍がやってきた!ヤァヤァヤァ!!!-

チラシはこちらからダウンロードできます→ チラシ_A4表.pdfチラシ_A4裏.pdf

1.開催趣旨

 天正18年(1590)、関東に権勢を誇った小田原北条氏は、豊臣秀吉の攻撃を受けて滅亡しました。その最中、東海道・東山道を進んだ豊臣軍の前に、関東の各地は大きな戦禍にさらされます。そして、小田原落城後、徳川家康の江戸入城によって関東は新たな時代を迎えることとなりました。

 本展覧会では、戦国時代末から江戸時代初期の埼玉県地域を取り巻く情勢を収蔵資料から紹介します。近年、大きく研究が進展した織豊政権と初期徳川政権を連続して捉えることで、あまり知られていない武蔵国の中近世移行期について県民の皆様に興味を持っていただければ幸いです。

 

2.開催期間  

 令和8年1月31日(土曜日)から4月26日(日曜日)

  前期:令和8年1月31日(土曜日)から3月15日(日曜日) ※一部展示替えを実施予定

  後期:令和8年3月17日(火曜日)から4月26日(日曜日)

 休館日:月曜日

     祝日(2月11日(水曜日)[建国記念の日]、23日(月曜日)[天皇誕生日]、3月20日(金曜日)[春分の日])

     月末休館日(3月31日(火曜日))

 

3.開室時間  

 午前9時~午後5時

 

4.会場  

 埼玉県立文書館(さいたま市浦和区高砂4-3-18)1階 展示室1・2

 

5.主催

 埼玉県立文書館

 

6.観覧料

 無料

 

7.展示構成

はじめに-信長と秀吉-

 戦国大名が割拠し、国衆らが戦乱をくり広げる戦国時代後期において、天下統一の途を進む織田信長の勢力は、武蔵国を含む関東にも及びました。この統一事業は、信長の死後、豊臣秀吉に引き継がれることとなります。本展覧会のプロローグとして、西角井家文書の諸国寺社朱印状*のうち、同じ寺院(山城国愛宕郡曼殊院)に宛てられた信長と秀吉の発給文書を紹介します。

 *諸国寺社朱印状とは・・・明治政府の命令により日本全国の寺院から提出された旧幕府判物のこと。大部分は鋭利な刃物で切断され、朱印が墨で消されています。

【主な史料】

織田信長印判状(西角井家文書6438)[さいたま市指定文化財]

豊臣秀吉印判状(西角井家文書6439)[さいたま市指定文化財]

   

 

第1章 統一政権と武蔵国

 天正10年(1582)、織田信長によって甲斐武田氏が滅亡します。これに伴い、武田氏旧領の国分協定が行われました。武蔵国は小田原北条氏の領国として確立するものの、隣接する上野国(群馬県)、信濃国(長野県)、甲斐国(山梨県)は織田領国となり、これによって武蔵国北部は北条氏と織田氏との権力の境目となりました。本章では、織田・豊臣両氏によって天下統一が図られていく情勢のなかに、北条氏の領国とされた武蔵国の動向を位置づけます。

【主な史料】

上杉景勝朱印状(島津家(米沢藩上杉家家中)文書27)

北条氏邦検地書出(持田(英)家文書6)[埼玉県指定文化財]

豊臣秀吉朱印状(井原家(萩藩毛利家家中)文書1)

 

 

第2章 秀吉の小田原攻め

 天正18年(1590)、豊臣秀吉は北条氏の本拠小田原城を攻めました。日本海側からは前田利家・上杉景勝らの東山道軍が碓氷峠を越えて関東に侵攻する一方、小田原を包囲した東海道軍から編成された浅野長吉・木村常陸介らの軍勢が武蔵国を席巻します。戦禍にさらされた武蔵国の情勢と豊臣政権による戦後処理の様子を館蔵資料から読み解きます。

【主な史料】

豊臣秀吉朱印状(埼玉県立文書館収集文書127(平岩文書2))[埼玉県指定文化財]

豊臣秀吉禁制(浦和宿本陣文書2)[さいたま市指定文化財]

前田利家印判状(北野天神社文書1958)[所沢市指定文化財]

  

 

第3章 家康の関東入部

 小田原北条氏滅亡後、徳川家康が関東に入部したことで、関東の戦国乱世は終焉を迎えました。それまでの社会構造を踏襲しつつ、新たな支配構造が構築されていきます。本章では、豊臣政権の動向と“豊臣大名”としての家康の関八州支配、特に検地や既得利権の保障などに焦点を当てます。

【主な史料】

武州足立郡柴岡郷内三室村御繩打水帳(武笠家(神主)文書304)[さいたま市指定文化財] ※天正19年(1591)検地

武州榛沢郡鉢形領之内荒川御繩打水帳(持田(英)家文書24)[埼玉県指定文化財] ※文禄4年(1595)検地

武州秩父郡野巻村御地詰帳(逸見家文書11)[埼玉県指定文化財]  ※慶長3年(1598)検地

   

 

第4章 江戸開幕

 慶長8年(1603)、徳川家康は征夷大将軍に任じられました。正式に全国を統治する権利を獲得し、ここに江戸幕府が誕生しました。その後、大きな混乱なく二代秀忠、三代家光へと将軍職が引き継がれ、政権を世襲していくことが世に示されました。“天下人”となった徳川将軍家により、新たな秩序の構築が進められ、“泰平の世”の基盤が整えられていった様子を、収蔵資料から紹介します。

【主な史料】

徳川家康関東新義真言宗法度(明星院文書10)[埼玉県指定文化財]

徳川秀忠朱印状(稲生家文書1290)[埼玉県指定文化財]

  

 

おわりに-史実と偶像-

 現代に至るまでの歴史の流れの中で、歴史上の人物は時に神格化され、また時に英雄視されます。それには、時代の為政者の意図や社会的背景が存在します。エピローグとして近世以降に豊臣秀吉を取り上げた資料を紹介し、本展覧会の展示内容と照らし合わせることで、資料から得られる史実と脚色された偶像の違いを見つめ直します。

【主な史料】

「絵本太閤記初篇」(東家文書271~274)

「講談社の絵本 豊臣秀吉」(川田氏収集文書5394)

 

特集展示 城絵図の世界

 小室家文書等に含まれる城絵図を、埼玉県航空写真を始めとする館蔵地図資料と比較しながら紹介します。

【主な史料】

武蔵鉢形城絵図(新田家文書1)

古城跡近傍図(松山城)(小室家文書747)[埼玉県指定文化財]

武州忍城図(小室家文書741)[埼玉県指定文化財]

武州河越城図(小室家文書745)[埼玉県指定文化財]

     

 

8.関連行事

 (1)展示資料解説会

  日 時 :第1回 令和8年2月12日(木曜日) 10:30~11:00

       第2回 令和8年3月10日(火曜日) 10:30~11:00

       第3回 令和8年4月18日(土曜日) 10:30~11:00

       ※3回とも同内容。

  会 場:文書館3階 講座室1・2

  ※展示室での解説は行いません。講座室での資料解説後、自由見学とします。

  講 師:当館学芸員

  定 員:各80名(先着)

  その他:参加費無料、事前申込不要

 

 (2)文書館フィールドワーク

  日 時:令和8年3月8日(日曜日) 12:30~16:30(予定)

  会 場:行田市内(予定)

  ※詳細は、文書館フィールドワークのページをご覧ください。