埼玉の地形的特徴の一つには「川」があります。県土に占める水辺空間の割合は約5%、河川面積だと3.9%です。そのうち河川面積は徳島県に続いて2位を誇り、「川の国埼玉」を標榜し、水辺空間の活用に力を入れています。
そんな水辺には交通の利便の為、あるいは地域のランドマークとしての役割を果たす橋が架けられています。その中には、明治・大正時代に掛けられた埼玉の近代化文化遺産として貴重な文化財となっている橋も残っています。また一方では、東京近郊の県として膨大な交通量を支える現代の技術を集めた橋も存在します。特に秩父地域は「橋の博物館」と呼ばれる程、様々な形式の橋が見られる場所です。
今回の展示では、文書館の地図と行政文書を用いて埼玉の橋を紹介します。
この展示が、御観覧の皆さまにとって、橋の架かる地域と橋の関係性や、「水辺空間」を考えるきっかけとなれば幸いです。
また、コラム展示では令和4年12月に行われた令和4年度地図教室「天然記念物『長瀞』の地形を読み解く」の報告展示も行っています。「親鼻橋」近隣の地形がよくわかる内容の地図教室です。地図教室を再現できるリーフレットも御用意しております。
1 地図コーナー展の概要
(1) 開催期間
令和5年2月7日(火)~4月30日(日)
9時00分~17時00分
(2) 休館日
月曜日、国民の祝日(2/23、3/21)、月末整理日(2/28、3/31)
(3) 場所
埼玉県立文書館 4階地図展示コーナー
アクセス
JR浦和駅西口下車徒歩15分、JR中浦和駅下車徒歩18分
※駐車台数に限りがあるため、公共交通機関を御利用ください。
(4) 料金 無料
埼玉県立文書館 地図センター担当 小澤・村田
〒330-0063 さいたま市浦和区高砂4-3-18
TEL 048-865-0112
FAX 048-839-0539
e-mail p650112@pref.saitama.lg.jp
2 構成と主なパネル展示史料
プロローグ 「橋」って、どれも一緒じゃないの?
第一章 県内で見られる「橋」の種類
県内の様々な橋を取り上げて、写真を交えて橋の形式を紹介します。
代表的な橋の形式
・桁橋 ―戸田橋、秋ヶ瀬橋、滝岡橋、荒川橋梁
・ラーメン橋―JR鉄道橋
・トラス橋 ―秩父橋[高野(周)家文書76]
・アーチ橋 ―寺坂橋、玉川橋
・吊り橋 ―弁天橋
・斜張橋 ―幸魂大橋
少し変わった橋の形式
・船橋 ―利根川に架かった船橋について
[篠崎家文書4352、埼玉県行政文書 明1751]
・沈下橋 ―稲荷橋、鞍掛橋
コラム 「令和4年度 地図教室 報告
天然記念物『長瀞』の地形を読み解く」
昨年12月に行われた令和4年度地図教室では、自然の博物館と共催で天然記念物「長瀞」の地形について、資料と現地踏査から読み解きました。
地図教室の報告とともに、第二章で取り扱う「親鼻橋」が架かる天然記念物「長瀞」の地形についてお伝えします。
第二章 天然記念物「長瀞」に架かる「親鼻橋」
「長瀞」にかかる橋に「親鼻橋」があります。
重要文化財埼玉県行政文書には「親鼻橋」の修復や架け替えの記録がいくつも残されています。また、古い埼玉新聞には台風や大雨の際の親鼻橋の様子が伝えられています。また、かつて橋脚が建てられていた岩盤に注目すると、昔の親鼻橋の橋脚が建てられている場所は「紅簾石片岩とポットホール」としてジオサイトにも登録されている貴重な岩でした。
明治、大正、昭和と三回姿が変わる「親鼻橋」について、その地形と共に御紹介します。
[主な展示史料]国土地理院地図、
埼玉県行政文書(10280、大302-1、-2、大78)
飯塚家文書4770
エピローグ 「橋」と水辺の景観
3 展示風景
【開館時間】
午前9時~午後5時
【休館日】
・月曜日(県民の日に当たるときは、その翌日)
・毎月末日(令和6年6.8.11月の末日は開館)
・祝日
・年末年始(12月29日~翌1月3日)
・特別整理期間(令和6年5月15日~24日、11月19日~28日)