おうちでミュージアム「花押と印章×サインとはんこ」
県立文書館では、古くから大切に継承されてきた約45万点の古文書を収蔵しています。その中には、バラエティに富んだ花押(かおう:図案化された署名(サイン))と印章(はんこ)が見られます。
日本の歴史のなかで、花押と印章は、文書の差出者を表したりするほかにも様々な理由から長きにわたって使われてきました。しかし明治時代には花押の使用は制限されました。そして現在、社会の変化に伴って印章の使用についても転換点を迎えつつあります。
本企画展では、収蔵文書の中から平安時代末期から明治時代までに作成された古文書を取り上げて様々な花押と印章の形を紹介するとともに、その歴史を振り返ります。
1 企画展概要
(1) 主 催
埼玉県立文書館
(2) 会 期
令和2年12月8日(火)から令和3年2月5日(金)まで
※期間中展示替えがあります
前期 令和2年12月8日(火)~12月25日(金)
後期 令和3年 1月5日(火)~ 2月 5日(金)
(3) 会 場
県立文書館 1階 展示室
(4) 開 室 日
火曜日から金曜日まで
※但し、令和2年12月29日(火)~令和3年1月3日(日)は休館
(5) 開室時間
①10時30分から12時まで
②13時30分から15時まで
※開室時間中に正面玄関から入館してください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、検温、手指の消毒、
観覧者カードの提出などに御協力ください。
(6) 観 覧 料
無料
(7) アクセス
JR浦和駅下車徒歩15分、JR中浦和駅下車徒歩18分
※駐車台数に限りがあるため、公共交通機関を御利用ください。
(8) 展示点数 69点
2 展示構成
プロローグ
花押と印章の概要を辿りつつ、文書館収蔵資料のうちで最も古い年代に記された文書の1通である太政官牒(だじょうかんちょう)を紹介します。
Ⅰ 花押と印章
花押の様々な使われ方や形の変遷のほか、日本史上で著名な人物の花押と印章を文書館収蔵資料で紹介します。また埼玉ゆかりの北条氏邦(ほうじょううじくに)がその生涯で使用した花押の変遷を実例に基づいて紹介するコーナーは必見です。
Ⅱ 江戸時代の花押と印章
江戸時代の修験寺院、相馬家(旧山本坊)に伝わった将軍の朱印状を一挙公開します。
また江戸時代に庶民層に広く使用された印章も展示します。そのほか、多様な使われ方をした花押と印章にも注目し、その諸相も紹介します。
エピローグ
明治時代に入り、証書等への使用が制限された花押ですが、完全にその姿を消したわけではありません。その例として、明治天皇の御名御璽(ぎょめいぎょじ)と伊藤博文の花押が据えられた文書を展示します。
3 主な展示資料(全て文書館収蔵)
① 太政官牒(だじょうかんちょう)
(小室家文書5695 県指定文化財 永久5年(1117)年12月20日)
当時の行政府である太政官の印と、役人の花押を見ることができます。
※前期…原資料展示 後期…写真パネル展示
② 足利尊氏御教書(あしかがたかうじみぎょうしょ)
(法華寺文書2 県指定文化財 建武元年(1334)2月6日)
足利尊氏の花押は、その後の武士の花押に多大な影響を与えました。
※前期…原資料展示 後期…複製資料展示
③ 豊臣秀吉朱印状
(文書館収集文書127 平岩家文書 県指定文化財、[天正18年(1590)]5月22日)
豊臣秀吉が長年にわたって好んで使用した糸印(いといん)という印章が捺されています。
※後期のみ展示
④ 徳川家康知行宛行状
(旗本加藤家文書1 天正20年(1592)2月1日)
家康は生涯にわたって多様な花押と印章を使いました。本文書の印章は印文「福徳」です。
⑤ 公文状(くもんじょう)
(廣正寺文書216 文久元年(1861)10月15日)
花押をかたどった、朱の印章が捺されています。通常、花押は墨であらわされますが本文書のものは朱色です。(写真は前半部)
⑥ 爵記(しゃっき)
(安部家(岡部藩主)文書545 明治17年(1884)7月8日)
安部家当主の安部信順(あんべのぶまさ)が授かった文書には、明治天皇の御名御璽(御名…天皇の諱、御璽…天皇の印章)と、宮内卿の伊藤博文の花押が見られます。
【開館時間】
午前9時~午後5時
【休館日】
・月曜日(県民の日に当たるときは、その翌日)
・毎月末日(令和6年6.8.11月の末日は開館)
・祝日
・年末年始(12月29日~翌1月3日)
・特別整理期間(令和6年5月15日~24日、11月19日~28日)