令和2年度 もんじろうかわら版

2020年4月の記事一覧

R2-2 古文書整理・保存作業2

今回は、「古沢家文書」の資料整理作業についてご紹介します。

資料を適切に管理するために、約30,000点にものぼる「古沢家文書」の資料1点1点に番号を振り当て、情報を読み取り、目録を作成します。

しかし、書状はいわゆる「くずし字」で書かれていることが多いので、丁寧に読み取っていきます。

分からない文字に出会ったときは辞書で調べたり、学芸員各々の知識を持ち寄って資料とにらめっこをしたりしてます。

 

 

根気の要る作業ですが、目録を作成することによって資料群全体の構造や資料それぞれの内容を知ることができ、当館の資料検索システムですぐに検索ができるというメリットがあります。

 

作業中の「古沢家文書目録」は令和3年3月中の刊行を予定しています。

目録を作成した後、資料は封筒に入れて保存します。

当館では、資料の保存に適した中性紙封筒を使用しています。

中性紙は、通常の封筒に使用されている酸性紙より耐久性が高く、さらに紙の酸化を防ぐ・埃から資料を守る等の効果があります。

 

 

作業後の資料は保存箱に収め、保存庫にて大切に保存・管理をしています。

ちなみに、この保存箱も中性紙で作られた特注品です。

 

 

当館では、地域の歴史や人々のくらしを物語る貴重な古文書の整理・保存をしながら、古文書の魅力を伝える取組を行っています。

少しでも当館の学芸員の業務を知っていただければ幸いです。(海)

R2-1 古文書整理・保存作業1

現在、当館は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面の間、臨時休館していますが、

資料の整理・保存作業等を継続的に行い、開館に向けた準備を進めています。

ここでは、準備の様子を少しずつお伝えしていきます。

 

今回は、現在進行中の「古沢家文書」の整理・保存作業をご紹介します。

 

古沢家は、江戸時代に大里郡大麻生村(現熊谷市)地域の名主を務め、明治時代に郡区町村編制法が施行された際には、大麻生村を取りまとめる戸長として活躍しました。

当館に寄託された約30,000点にのぼる「古沢家文書」は、当時を生きる人々の様子を現代へと伝えてくれる貴重な資料です。

 

 

作業風景の一コマです。資料保護と新型コロナウイルス感染症対策のためにマスクを着用し、一定の距離を設けてコツコツと作業をしています。

次回は、作業の手順をご紹介します。(海)