デジタル展示「フィルムのなかの埼玉」

 

はじめに ―フィルムのなかの埼玉―

 

 埼玉県立文書館では、令和2年(2020)2月に『埼玉県史料叢書21 埼玉新聞社撮影戦後報道写真 フィルムのなかの埼玉 1947-1964』を刊行しました。埼玉新聞社撮影戦後報道写真は昭和19年(1944)創刊の『埼玉新聞』を発行する埼玉新聞社が、昭和22年(1947)から昭和59年(1984)までに撮影し、文書館に寄贈した約50万コマ以上のフィルムからなるアーカイブズです。本書では、昭和22年(1947)から昭和39年(1964)までに撮影した約9万3,000コマの写真から512点を選び、収録しています。

 この時代は、戦後の混乱の中で、カスリーン台風によって大きな被害に見舞われた昭和22年(1947)から、様々な民主的な改革や経済・社会の復興、県内自治体の「昭和の大合併」などを経て、昭和30年代の高度経済成長期、そして埼玉県内でも競技が行われた東京オリンピックへと続いています。本書では、そうした時代に生きた人々の姿や当時の雰囲気を生き生きと映し出しています。ここでは、デジタル展示として、本書に掲載した写真の一部を紹介しながら、埼玉県の戦後史をビジュアルにお伝えします。

令和2年(2020)6月8日

 

 

 

ここでは『埼玉県史料叢書21 埼玉新聞社撮影戦後報道写真 フィルムのなかの埼玉 1947-1964』掲載の写真から15点を紹介します。

写真タイトルの後ろに、『埼玉県史料叢書21』掲載の写真番号(( )内の数字)、撮影年月日、撮影地(現在の地名)を示しています。

 

Ⅰ 戦後の混乱と諸改革 1947-1949

写真:3枚 更新:06/08 管理者

 日本の戦後史は、昭和20年(1945)8月14日にポツダム宣言の受諾を連合国側に通告し、翌15日のラジオ放送で天皇がそれを国民に知らしめたことから始まる。埼玉県には、昭和20年(1945)11月1日大宮市(現さいたま市大宮区)の片倉工業株式会社大宮工場に埼玉軍政部(のち、浦和市(現さいたま市浦和区)の埼玉会館別館に移転)が置かれ、様々な民主的改革や福祉政策が行われた。一方で、食糧不足など県民生活が混乱する中、昭和22年(1947)9月に関東・東北地方を襲ったカスリーン台風は、県内各地に大きな被害をもたらした。

Ⅱ 戦後の終わりと復興への動き 1950-1954

写真:3枚 更新:06/08 管理者

 終戦から5年、昭和25年(1950)に勃発した朝鮮戦争を契機としたいわゆる「朝鮮特需」により経済復興への兆しがみえてきた。苦しい生活を強いられながらも子供たちの笑顔に戦後の終わりを感じられるようになった。上下水道や道路などインフラ整備が進み、「国鉄復興五か年計画」により高崎線の電化が行われた。また、昭和28年(1953)から「昭和の大合併」が始まり、新たな市が続々誕生した。

Ⅲ 成長への胎動 1955-1960

写真:3枚 更新:06/08 管理者

 日本経済は昭和28年(1953)には戦前の水準を上回った。県内でも南部を中心に経済の発展、人口の増加が著しく、白黒テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫のいわゆる「三種の神器」をはじめとした家電製品が普及した。他方、県内の米軍基地をめぐっては航空機の墜落事故などが問題となった。

Ⅳ 「政治の季節」から「経済の季節」へ 1961-1964

写真:3枚 更新:06/08 管理者

 昭和30年(1955)頃から始まった高度経済成長のなかで、埼玉県内では工業化が進んだ。そうした成長を支えたのは、地方出身の若者であった。また核家族化が急速に進展し、県営住宅や日本住宅公団による大規模住宅団地が建設され、東京のベッドタウン化が進んだ。

Ⅴ 東京オリンピックと埼玉県 1958-1964

写真:3枚 更新:06/08 管理者

 昭和39年(1964)10月10日、東京の国立競技場で第18回オリンピック競技会東京大会(東京オリンピック)が開幕した。埼玉県内でも戸田でボート、大宮でサッカー、所沢でクレー射撃、朝霞で射撃・近代五種のピストル・近代五種の乗馬の競技が行われた。国立競技場の聖火台は川口の鋳物で製造され、また、開幕前には中山道を通る聖火リレーを多くの県民が迎えた。

本書について

  

『埼玉県史料叢書21 フィルムのなかの埼玉 1947-1964』は、県内公立図書館、全国の主要大学、博物館、資料保存活用機関にお送りしているほか、埼玉県県政情報センター内県政資料コーナーで有償頒布しています。ぜひ御利用ください。

 

 

 

 

 

『埼玉県史料叢書21 埼玉新聞社撮影戦後報道写真 フィルムのなかの埼玉 1947-1964』

 

・編 集 埼玉県教育委員会

・発 行 埼玉県

・事務局 埼玉県立文書館

・発行日 令和2年(2020)2月28日

・内 容

全304ページ(解説28ページ、写真256ページ512点、関連年表、掲載写真一覧)

・有償頒布

2,090円(税込み)

埼玉県県政情報センターの県政資料コーナーで販売しています(郵送、書店での取寄せもできます。詳しくは県政情報センター(電話 048-830-2543)へお問い合わせください)。

・お問い合わせ

本書の内容については埼玉県立文書館史料編さん担当(電話 048-865-0112)、掲載した資料写真の利用(書籍への掲載など)については埼玉県立文書館古文書担当(電話 048-865-0112)までお問い合わせください。