近現代コーナー 特集展示

特集展示(近現代) 瑞穂屋 清水卯三郎

 埼玉が輩出した偉人は様々いますが、「清水卯三郎」(1829-1910)をご存知でしょうか?

 卯三郎は、埼玉郡羽生町(羽生市)の酒造家の家に生まれ、貿易・出版業を中心に幅広く活動した人物です。母親は、大里郡甲山村(熊谷市)の豪農で幕末の勤皇志士であった根岸友山の妹です。

 蘭学を学び、慶応3年(1867)のパリ万国博覧会に織物や錦絵等を多数出品し、銀杯を下賜されました。明治元年(1868)からは、浅草に瑞穂屋を開店し(後に日本橋に移転)、洋書などの輸入販売を開始します。また、日本最初の学術団体と言われる明六社では会計を担当し、『明六雑誌』に「平仮名ノ説」を発表し、仮名文字論者としても知られます。
 NHK連続テレビ小説「風、薫る」にも登場した「瑞穂屋 卯三郎」の事績について、収蔵史料から紹介いたします。

【主な史料】

「わがよのき 上」(清水家文書1) 明治32年(1899)6月

  「しみづ うさぶらう とは わ が な なり からもじ にて 清水卯三郎 と かけり」

 この一文から始まる「わがよのき」は、卯三郎が70歳の時に書き記した自伝です。薩英戦争の経験やパリ万博に出発するまでの前半生の出来事を詳細に書き記しています。

 仮名文字論者らしく、文章の多くがひらがなで書かれています。

 今回、展示するのは、薩英戦争についての記述です。卯三郎は、若い頃から蘭語や英語を学び、34歳の時に起こった薩英戦争(文久3年[1863])では、通訳としてイギリスの軍艦に乗船しました。その際、イギリス軍の捕虜となった五代友厚や寺島宗則らの助命に関わります。

 「瑞穂屋 卯三郎」の、バイタリティあふれる前半生を綴る自伝!ぜひ原本展示でご覧ください!!!

 ※9月1日(火)~29日(火)の間、「わがよのき 上」の原本を展示します。

 上記以外の期間は、パネル展示となります。

お知らせ

 

 

常設展「未来へつたえる―文書館史料からみる埼玉県の歴史―」

 

  県立文書館常設展「未来へつたえる―文書館史料からみる埼玉県の歴史―」を開催しています。

 

1  常設展の概要
(1)開 室 日    火曜日から日曜日まで
   ※ただし、毎週月曜日及び祝日、特別整理期間、月末館内整理日と年末年始休業日は休室
(2)開室時間  9時から17時まで   
(3)観 覧 料    無料
(4)展示内容   中世から現代までの各時代の収蔵資料を通して、埼玉県の歴史を振り返ります。埼玉県の地図資料や、象徴展示として文書を現代まで伝えてきた文書箱なども展示しています。文書館の事業である文書資料保存活動ボランティアの紹介もしています。

※約70点。定期的に展示替えを行います。

 


2  これまでの展示資料の例  ※現在の展示内容とは異なります。
 
(1)  文書箱  (左 根岸家  ) 
  画像左側の文書箱は、大里郡冑山村(熊谷市冑山)の名主を勤めていた根岸家に伝えられた文書箱です。文書箱の中には、名主の執務で作成された様々な文書が保管されていました。文書箱の側面には非常時に箱を背負って運ぶための紐が取り付けられています。 

 
(2)  北 条 家 朱 印 状(戦国時代  3月 18 日  浦和宿本陣文書 1)
  小田原北条氏が、今後の掟を定めるため、浦和から百姓一人が出頭するように命じたものです。戦国時代の浦和は、「浦和市(いち)」や「浦和宿(しゅく)」と呼ばれ、市が立ち、宿場として存在していたことが知られます。
  日付上に捺された印は「禄寿應隠(ろくじゅおうおん)」の印文で、上部に虎を配しています。北条氏が発給したもので、一般に「虎の印判状」と呼ばれています。 


 

(3)  徳川家康朱印状(天正 20 年(1592)旗本加藤家文書1)
  旗本加藤家に伝わった知行宛行状(ちぎょうあてがいじょう)です。加藤家は正次(まさつぐ)の時に、天正 3年(1575)の長篠(ながしの)の戦いや天正12 年(1584)の小牧(こまき)・長久手(ながくて)の戦い等で武功を上げ、徳川家康の関東入国に従いました。正次(喜助)は武蔵国(むさしのくに)比企郡内に 1,669 石(こく)1 斗(と)2 升(しょう)、上総国(かずさのくに)内に 330 石 8斗 8 升、合計 2,000 石の知行(ちぎょう)を領しました。 


 

(4)  復刻迅速測図原図 埼玉県武蔵国北足立郡浦和駅
  (明治 13 年(1880)12 月  飯島(進)氏収集文書 563)
迅速測図原図とは、明治 13年(1880)から同 19 年
(1886)にかけて陸軍参謀本部が作成した 2 万分の 1の地図で、明治初期の関東平野、房総半島、三浦半島などの地域を描いています。本図は埼玉県庁周辺です。中山道沿いに街並みが形成されている一方、鉄道がないなど現在とは大きな違いもあります。 
 


 
 文書館マスコット  もんじろう
 文書館の文書をネズミから守る猫のマスコット。常設展を御案内します。